PRINCESS story

電話をして数分後、中野さんと翔子さんを含め数人が宮殿からやってきた。



「琴葉様!お怪我は?」


「…鈴野さんが…鈴野さんが…
早く、鈴野さんを……」



翔子さんと中野さん以外の人が、数人で鈴野さんを宮殿内へと運んでいった。



「ご無事で何よりです…
姫も宮殿に戻りましょう」


翔子さんのその言葉に、安心感から涙が溢れた。



「…宮殿に帰ったら、何があったのかお話下さい」




話せない…… 


だって、これが誰かに仕組まれた罠で、その目的が私を殺して、奏斗の王子の座を奪うことだなんて、言えないよ……




< 334 / 399 >

この作品をシェア

pagetop