PRINCESS story
「王子……大変なことになりました」
俺が学校から戻ると、中野さんが言った。
「何が…ですか?」
「琴葉様の乗った車のブレーキが効かなくなり、事故に遭われました」
「…事…故?」
頭が真っ白になった。
「琴葉は?琴葉は、無事なんですか?鈴野さんも大丈夫なんですか?」
「幸い、琴葉様にお怪我はなく、鈴野さんも軽傷でした。
ただ、琴葉様は精神的にかなり大きなショックを受けられています。
先程から、何もお話になられていません」
「今、どこに…?」
「お部屋に…」
俺は急いで琴葉の元へと向かった。