PRINCESS story
琴葉、ごめん…
俺はそっと引き出しを開けた。
そこには2通の手紙があった。
そのうちのひとつを開く。
『お姫様、この間の事、忘れたのかな?
忘れてるようだから、もう一度だけ言う。
もし自分の命が大切なら、一刻も早く王子と共に身を引け。
王子がその座を降りさえすれば、これ以上傷付けはしない。
これが最後の忠告だ。』
「そうだったのか…」
この文面を見て俺はやっと悟った。
犯人の本当の目的は、琴葉じゃない。
王子の座だ…
琴葉が手紙を隠していた理由は、まさか、俺のため…?
俺のために自分を犠牲にして全てを1人で背負いこんでいたのか…?