PRINCESS story
「2人とも頭を上げなさい。
2人の意見が違うではないか。
どちらの言い分も分かったが、やはり奏斗をその座から降ろすことは出来ない」
「父上!琴葉がこれ以上の危険な目に遭ってからでは遅いんです」
「奏斗……私なら大丈夫だから」
「大丈夫だって?今までされたこと、忘れたのか?大丈夫な訳ないだろ!」
「2人とも落ち着きなさい」
母が言う。
「冷静に考えてみなさい。
奏斗、あなたが王子の座を降りると言えば、国中が大騒ぎになります。
あなたなら分かりますね?」
「分かっています。
しかし……大切な人を守れない僕に、王子で居る資格なんてありません。
お願いです……琴葉を守らせてください」