PRINCESS story
「でも……」
奏斗が私を離し、そしてゆっくりと私の目を見て言った。
「琴葉……愛してる。
だから、どこにも行かないでほしい」
夢かと思った。
……だけど、夢じゃない。
「俺、誰かをこんなに大切に思ったのは初めてだ。
だから、どうやって愛したらいいのか分からなかった。
愛され方も分からなかった。
琴葉を今までたくさん傷付けたし、これからだって、絶対に傷付けない自信がある訳じゃない…
そんな俺がこんなこと言うなんて、勝手だって分かってる。
でも……側に居てほしいんだ。
琴葉に、俺の側に居てほしいんだ…」