PRINCESS story
「こんなことが王室内、まして家族内で起きてしまったことは非常に悲しい。
世間に公開するつもりはないが、志保さんになんらかの処分を課すことは、避けられないと思っている」
処分……
それは、あまりにも嫌な響きだった。
「場合によっては、王室を出ていってもらうことになるかもしれない…」
そんな…
私は思わず口を挟んだ。
「王様、私がもっとしっかり王子妃として振る舞えていれば、こんなことにならなくて済んだかもしれません。
きっと、私にも責任はあります。
ですから、志保さんのことは……」
なかったことに、とは言えなかった。
でも、何て言えばいいのか分からないけど、家族がばらばらになってしまうのはどうしても嫌だった。