PRINCESS story
「琴葉……
気持ちは分からないこともないけど、琴葉には何も責任はない。
今まで…どんなに苦しまされたか分かってるだろ?」
奏斗がなだめるように言う。
「たしかに…苦しかったよ。
でも、こんなことのせいで家族が壊れるのは絶対に嫌だ」
「琴葉……」
この私たちの会話を聞いて王様が言った。
「姫の気持ち、分かったよ。
なるべく良い方向で考えよう」
「お願いします」
「…ようやく、分かった気がするよ」
王様が表情を緩めた。
「父が君を奏斗の妻に選んだ理由が」
理由……
そういえば、聞いたことなかった。