PRINCESS story
「和也さん、恨んだりしません。
たしかに、苦しかった…
でも、今回のことは私を強くしてくれた。
自分がどれだけ愛されて、どれだけ皆に支えられているのかも、分かったんです」
「ありがとう…
そう言ってくれて、少しだけ救われるよ」
力なく笑う和也さんに、私はどんな言葉を掛ければいいのか分からなかった。
「本当に、ごめんね…」
深々と和也さんが頭を下げる。
「和也さん、顔を上げてください」
私の言葉で、和也さんは静かに状態を起こした。
「今、どんな顔で君を見たらいいか…分からないよ…」