PRINCESS story
「先に食べてて良かったのに」
「それじゃあ意味がない」
「えっ?」
「今日はどうしても一緒に食べたいの。
この料理、私が作ったから」
琴葉が作った?
いつも専属の料理人が居るはずなのに…
「どうして、琴葉が?」
「……私、まだ奏斗に何もプレゼント用意出来てなくて…
だから、とりあえずの私からの誕生日プレゼントのつもりで作ったの。
こんなの、プレゼントにならないって分かってるけど…食べて?」
「こんなにたくさんの料理……
今までにもらったことない、どんなものより立派なプレゼントだ」
「…本当?」
「うん。ありがとう」