PRINCESS story
「琴葉」
一度ゆっくり目を閉じた。
そして目を開け、琴葉を見る。
「もう、俺は逃げない。
琴葉が側に居てくれるから。
だから、今の俺は前の俺とは違う。
ちゃんと自分の責任を背負うよ。
王子として、必ず立派になってみせる」
俺の言葉に、琴葉が優しい笑顔で頷く。
「琴葉、ありがとな」
このたくさんの感謝は、どうやって伝えればいいんだろう?
「誕生日を久しぶりに嬉しいって思えた。
琴葉のおかげだ」
明日の祝賀会…
おめでとうって言ってくれる人たちに、期待してくれる人たちに、今の俺ならちゃんと向き合えそうだ。