PRINCESS story
琴葉は俺の手のひらにある2つの指輪をじっと見つめている。
「琴葉」
俺が名前を呼ぶと、琴葉はゆっくりと顔を上げた。
「一生、大切にする。
絶対に、幸せにする。
これは…その俺の気持ちだから。
……受け取ってほしい」
俺たちはもう結婚しているから、これはプロポーズにはならない。
でも、俺の中では人生で最大のプロポーズのつもりだった。
琴葉はもう一度指輪を見てから、自分の左手を俺の前に差し出した。
俺はその薬指に、そっと指輪をはめた。