PRINCESS story
「仕方ないよ。いきなり王室に入れなんて言われて、すぐに受け入れられる方が普通じゃない」
「ごめんなさい……」
「別に謝らなくていいよ。これから、少しずつ慣れていけばいいから」
彼の言葉で、少し気持ちが軽くなった。
と同時に、彼のさっきまでとの雰囲気の違いに少し驚く。
彼の第一印象は、もっと冷たく、婚礼の儀の時もその印象は変わらなかった。
でも、今、私の目の前で話している彼の雰囲気は、まるでさっきまでとは別人であるかのように優しく、柔らかい。
「どうかした?」
「いえ…大したことではないんです。ただ、王子の雰囲気が、さっきまでと少し違うな、と思って」