PRINCESS story
「はい。では、王子のことは…?」
「俺も、王子は嫌だな」
「じゃあ……奏斗…様…?」
「一応これでも俺たち夫妻だから、奏斗でいいよ」
「奏斗…」
“奏斗”
何気なくつぶやいてみると、少しだけ胸が高鳴るのを感じた。
「それから…敬語やめよう?せめて、2人の時は」
そう言ってくれたけど、今まで一般庶民だった私が日本の王子に敬語を使わず話すって…
失礼なんじゃないかな?
そんな私の不安を感じてか、彼、いや………奏斗、が言う。
「敬語使われたんじゃ、なんか息苦しい。親にも敬語だからさ…」
「…分かった」