PRINCESS story
「そんな……」
「こんなのおかしいよな。でも、王室はそういうところさ」
彼が悲しくて寂しい目をしていた理由が、少しだけ分かったような気がした。
王室……
それは、国民の憧れであり、国の象徴。
だけど、中は思っていたよりずっと、残酷で悲しい世界なのかもしれない。
「ごめん、なんか……大丈夫、俺たちならきっとなれる」
奏斗が、そう言ってくれた。
「うん…」
この言葉を信じることしか、今の私には救いがない。