PRINCESS story
一瞬、私の周りだけ時間が止まったような気がした。
「夫婦…なのに…?」
「ごめん、本当にごめん」
「……理由、聞いてもいい?」
奏斗は私のその問いに頷き、こう答えた。
「俺は、きっと君を本気で愛せないから」
奏斗はそういうと、この空気に耐えられなかったのか、私に背を向けて部屋へ戻ろうとした。
「ちょっと待って……それは…」
呼び止めようとした私の言葉を遮って彼が言う。
「…これは、君を傷つけないための、俺からの忠告だ……」