PRINCESS story
自由の無い世界
「2人とも、くれぐれも発言には気を付けるようにな。
全国の国民が見ているのだということを忘れずに」
パレードが終わるとすぐ、今度は宮殿内にマスコミを集めて、そのままの格好で公式記者会見が開かれる。
簡単に言えば、インタビューのようなものだけど、王様も言っていたように全国に生放送されてしまう。
化粧直しをしてから、私と奏斗は記者のいる広間に移動した。
「腕…組む?」
奏斗が少し恥ずかしそうに言う。
「腕……?」
「その方が夫婦っぽいかなって…」
確かに、そうかもしれない。
私は奏斗と腕を組んだ。
「琴葉、笑顔でね」
「うん」