PRINCESS story
広間に入った瞬間、たくさんのフラッシュが私たちに降り注ぐ。
奏斗がお辞儀をしたのを見て、私も慌ててお辞儀をする。
私と奏斗は組んでいた腕を離し、中央にあるソファーに座った。
「本日は、王子夫妻のためにお集まり頂き、ありがとうございます。
これより、質問を受け付けますので、質問のある方は挙手をお願いします」
中野さんが言い終えるのとほぼ同時に、たくさんの記者が挙手する。
その光景に威圧され、思わず私の顔が強ばると、奏斗が右手をそっと私の左手に添えてくれた。
「大丈夫」
奏斗が小さな声で私に言った。