PRINCESS story

たくさんのカメラのフラッシュを注がれながら広間を出ると一気に力がぬけた。


慣れないパレードと記者会見に寝不足が重なったせいか、頭が痛い。


「お疲れ様」

「奏斗こそ、お疲れ様。それから、ありがとう。
パレード、最後はごめんね。
今日は、一日中助けてもらってばっかりだった」

「いいよ、気にしなくて。
それよりさ……すごく疲れた顔してる。
顔色も悪いし、少し休んだほうがいい」


奏斗が心配そうに言う。


「…大丈夫」


私と奏斗のこの会話を聞いてか、翔子さんが奏斗に言った。

「王子、姫は私がお部屋に」


「そうですね…では、お願いします。僕は父上と母上のところへ行かなくてはならないので」


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