PRINCESS story
「どうして……私が?」
かろうじて冷静を保ったまま、中野さんに尋ねる。
「…今はまだ、申し上げることが出来ません。
しかし、遺言には続きがあり、そこに理由がしっかりと示されています」
「私に、知る権利はありませんか?」
「申し訳ございません。今は、申し上げるべき時ではないのです。
時が来れば、必ずお話しいたします」
「もし……私が、嫌だと言ったら、その願いは聞いていただけますか?」
最後の希望を託して、その質問をした。