PRINCESS story
「王室…どう?慣れられそうかな?」
雅さんに聞かれ、正直に答える。
「私に勤まるのか不安です。今までの生活と違いすぎて…」
「…そっかぁ」
重くなってしまいそうな空気を、不思議と雅さんの一言が和らげる。
「…でも、琴葉ちゃんのこと、私うらやましいな」
「えっ?私が……ですか?」
「そう。だって、普通の世界のことをたくさん知ってるじゃない。私なんて何にも知らないわ」
「雅さん……」
「王室に入ることは、あなたにとって辛いことかもしれない。
でもね、たくさんの世界を知ってるってだけでも、あなたは幸せ……」
雅さんの言葉が、胸に響く。