PRINCESS story
だけど、そんな期待は裏切られた。
私に向けられたのは、冷たい視線。
「おは……よう……ございます…」
申し訳なさそうな目でそう言ったのは、ありさだった。
「ありさ、敬語なんて…やめてよ」
「でも…王子妃ですから…」
「そんな、私は、今までの私と何も変わらないよ。
私は、前と同じ琴葉だよ…」
「そんなの、違うに決まってるじゃん!」
黙って下を向いてしまったありさに代わって言ったのは、梨奈だった。
「あたし…親友だと思ってたよ?
なのに、どうして何も言ってくれなかったの?」
「それは……」
突然のことすぎて、連絡をすることが出来なかった。
頭が真っ白で、どうしたらいいか分からなくて…
自分のことでいっぱいいっぱいだった。