PRINCESS story
「ものすごくわがままなお願いだって分かってる。
だけど…私と、友達のままでいてくれないかな?
学校にいるときは、王子妃としてじゃなく、琴葉として、みんなと居させてくれないかな?」
もう、涙を止めることは出来なかった。
ベランダのアスファルトに、涙の斑点模様が出来ている。
「琴葉……
もちろんだよ」
梨奈の言葉に、顔をあげる。
「えっ?」
「これからも、琴葉は琴葉だ…
ごめん…さっき、責めたりして。
何にも知らないのに……
あたし…あたしとありさが琴葉に裏切られたって、そんな風に勝手に思ってた。
本当に辛いのは、琴葉だったのに…」
黙っていたありさも口を開いた。
「…琴葉は前と同じ琴葉だって思っていいんだよね?」
頷くのが精一杯の私を、2人が優しく抱きしめてくれた。
「いつか…話せるときが来たら、2人には絶対、話すから……」