PRINCESS story
「琴葉、そろそろ時間だ。行こう」
部屋の外から奏斗に声をかけられる。
「うん」
私と奏斗は宮殿の入口でイギリスの皇太子夫妻を出迎える。
「琴葉、緊張してる?」
「死にそう…」
「大丈夫。とりあえず笑って隣にいてくれればいい。
あとは俺がなんとかするから」
奏斗が笑顔で言う。
「奏斗の奥様に…見えるかな?」
「えっ?」
英語が通じるかとかより、私がずっと気になっていたこと……
同い年だというのが信じられないほど奏斗は大人びていて、しっかりしている。
兄妹に見えちゃいそう…
「平気だよ。ちゃんと見える」
「そう…?」