PRINCESS story
えっ……?
河西さんが慌てて、琴葉のもとへと走って来る。
状況が呑み込めず驚く俺をよそに、琴葉は河西に落ち着いた様子で言う。
「翔子さん、大丈夫。少しなら…」
ますます、意味が分からなかった。
「琴葉、どういう……」
琴葉、どういうこと?
そう聞こうとして琴葉に視線を移した。
そこで俺は、やっと、琴葉の異変に気付いた。
猫に触れている部分の肌全体が赤くなっている。
発疹のように見える。
……アレルギー…?