真っ赤なチェリーの復讐







しかし、俺の想像を裏切る結果。







ノートには、何も書かれていなかったのだ。



……いや、正確に言えば書かれていたのかもしれない。





ノートの前半のページ半分程が、全て切り取られていたのだ。







一体、そこに何が記されていたのか?



切り取った人物は、誰なのか?





俺の疑問は、何一つ解決していない。









パラパラとノートを捲っていると、ひらりと何かが落ちた。




……写真?


それも、二枚。





畳の上に落ちた写真を拾う。








そして、
俺は驚愕するのだった。





一枚目の写真は、中学の卒業式。


ダッセぇ俺と、水沢詩織……。

俺の財布にも入っている、あの写真。







二枚目の写真は……。




中学の制服に身を包んだ水沢詩織と、面影が残る幼い奥田梨子。


二人は、笑顔で……。




その写真から伝わるのは、二人の親密さ。






何よりも、写真が撮られたと思われる場所は、この部屋だった。





< 134 / 170 >

この作品をシェア

pagetop