真っ赤なチェリーの復讐
金髪ライオンの両脇に手を入れて、ずるずると引きずる。
そうして、気絶したままのライオンを車の影に隠す。
黒塗りのベンツへ向かい、運転席のドアを閉めた。
緻密な計画?
そんなもんねぇよ。
ただの、思いつきなんだから。
どうせ、もう俺の人生なんか腐ってんだ。
ハンドルに手をかけた。
ワクワクと、冒険に出かけるような気持ちが沸き上がる。
笑いだしてしまいそうになるのを無理やり抑えて、
俺はアクセルを踏んだ。