真っ赤なチェリーの復讐
連続する急カーブの山道。
梨子は、すっかり目が回っている様子。
「とにかく、どっかスペース見つけて停まれ。運転代わるから!」
「う〜、はいぃ〜……あれ?」
「今度は何だよっ!?」
隣の梨子に目を向ける。
梨子は眉間に皺を寄せ、何やら戸惑っている。
「な、なんか……変です…。」
「何が!?」
「スピードが…………えっ?」
「えっ?」
速度が落ちるベンツ。
…………そのまま、停まるベンツ。
「アクセル踏んでも動かな………あっ!!」
とてつもなく、嫌な予感がした。
…………まさか……。
「朔ちゃん………ガス欠です!!」
うあぁぁぁ、バカっ!!!
俺は、思わず頭を抱えた。