真っ赤なチェリーの復讐
全ての後で、
まだまだ微睡む俺の横で梨子は俯せに横になり、足をバタバタとさせている。
漂う煙草の匂い。
俺の煙草を、吸っているようだった。
梨子が口ずさむ、へんてこりんな歌が俺をまた、眠りへと誘う。
「チェリー、チェリー、
あなたとあたしは二人で一つよ、
チェリー、チェリー。」
出会ってから3日目の夜、
俺と梨子は結ばれた。
同じ鎖で繋がれた、運命共同体の逃亡者。
脆くて壊れそうな、その愛を
俺は信じていたかった。