Love...
声は聞いたことがある。
噂もよく耳にした。
俺の知っている彼女は
全て噂づての想像で出来ていた。
家族構成,恋愛,友達,,,
全て彼女から聞くことはなかった。
ありえないと思うだろうが,
俺は卒業まで彼女と話さなかった。
彼女は私立の中学に行ったという,
またしても噂が流れた。
噂づての想像で出来た彼女が
俺の人生初の恋だった。
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そういえば彼女は今,どうしてるんだろう。
何気無い疑問を抱いたが,直ぐに考えるのを
止めてしまったのは言うまでもない。
はぁ…。
俺って熟弱ぃ人間だよな。
初恋の彼女に対して,一言も
声をかけられなかったなんて。
もしこれを敦なんかに知られたら
一生馬鹿にされてただろうな。
俺は思い出に浸るのを止め,外に出た。
今は10時ちょい前だ。
暇だしコンビニでも行くか。
俺は近くのコンビニで
コーラと昼飯を買って
また家に戻ってきた。
意味も無くテレビをつけて
内容を聞き流しながらコーラを飲んだ。
そして正午を回る頃に昼飯を終え,
父さんが先程終えた朝食の後片付けをした。
それから銀行に行って振り込まれている
生活費を取りだしに行った。
克「…高校生1人の1ヶ月の生活費に
30万も使う奴がいったいどこにいるんだよ。」
と呟きながら30万を全て引き出し,
28万部屋のベッド裏に隠した。
取られたら困るからな。