訳あり少女と王子様
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街を歩き回ってもう、2時間は経ったんじゃないだろうか…
夜も更けて辺りは店の電飾がきらびやかに光り輝く。
建物の壁にもたれ掛かりタバコを吹かす俺の目に一人の女が止まった。
女っていうか、女の子?
みたいな感じか。
俺はその女の子に話し掛けたい衝動に駆られた。
「お嬢さん、うちの店来ない?」
っていうか、気づいた時には話し掛けてた…
女の子は話し掛けた瞬間
眉間にシワを寄せ、面倒くさそうな顔をした。
ふっ、おもしれぇ…
こんな女の子初めてだな。それに、人が目を引かれるような容姿をしてるし…
『ごめんなさい、急いでるので。』
「何処のお店ですか?ご案内しますよ?」
きっと、まだ彼女を見ていたいから。
こんな、見ず知らずの子を好きになるなんてな…