訳あり少女と王子様

『い、犬?』


「そぅなの。ほら、怪我。あっ…ごめんね?救急箱かってに使っちゃって…」


『いゃ、お前に怪我がないなら良いんだ。』


私は、足元に落ちていたタオルに包まった子犬を抱き上げた。


『あ…そいつ。捨て犬なんですよ』

向かえのソファに座ってる…
確か…リョウって呼ばれてた人が
子犬を見て言った。


「え?じゃあ、えっと…リョウさん?が飼うんですか?」


こんな可愛い子犬捨てるなんて…
サイテーだよね…。


『いぇ…可哀相なんで、連れて来たのは良いんすけど…
俺の家ペット禁止で;;;』


「そっかぁ…………あっ!
じゃあ、私飼っていい?!」


『え?飼ってくれるんすか?
それだと、すごく嬉しいっす!』

「うんっ!……後、敬語止めてね。」



それから私は黙って考え始めた。

ん?何をって?
この子の名前だよ。







< 32 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop