訳あり少女と王子様
「酒飲んでるだろ?俺ら、ホストだから。」
『あ、そっか。そうだよね…』
納得したような羅だが
まだ不満はあるようだ。
「…明日でも乗れるだろ?」
言われると思っていなかったのか羅は目を見開いた。
人の感情を伺うのは昔から得意だったからな…
小さい頃から。
『すごいなぁ、嵐さんは…
でも、作り笑いは止めたら?』
「ぁ?…気づい、てたのか?」
今まで、ずっと…
ずっと気づく人はいなかった。
晶以外は誰も。
「やっぱ、兄妹だな。」
似てるよ、お前達は。
俺はフッと頬を緩ませた。
『ぁ、初めて笑ったね。ホントに。』
あぁ。
やっぱ、お前達兄妹には
敵わなねぇよ。