それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?

「あたしは働かんにゃあいけんね」

「苦労かけてすまんのう、マイちゃん……」

「ええのええの。主婦なんて暇で暇でたまらんかったんじゃけえ」

 結婚前はバリバリのヘルパーだったという舞姫は、登録型ホームヘルパーだったにも拘わらず、社会福祉士の国家資格を持っているというつわものだ。
 そんな腕利きヘルパーにとって家事というのはあまりにも効率よく熟せてしまうため、どうしても時間が空いて手持ち無沙汰になってしまうのかもしれない。

「あたしもっぺんヘルパーに戻るわ」

「済まない」

 利明はまた、深々と九十度に曲がった。

「カズ……。おまえには一番申し訳なく思うとる。せっかく名門に行けたのにすぐに辞めにぁあいけんようなってしもうた」

「ああ、別にええわい。どうせ専玉おっても大榎の影に隠れてエースにゃあなれんかったんじゃけえ」

 今年の専大玉野高校野球部のエースは、シュートとスライダーが消えると評判の大榎貴志が務めていた。一年生にして名門校のエースナンバーを背負い、既に四名ものプロ野球団のスカウトが視察に来ているという大物だ。
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