それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
見事に編入試験をクリアして、岡山城東商業生となった和俊は、テクテク歩いて正門を潜る。
「これ、ここの野球部の専用グランドじゃったんか……」
公立校といえば、学校のグランドをサッカー部やら陸上部やらと共用しているイメージがあったのだが、どうやらこの学校は野球にかなり力を入れているようだ。
かなり本格的な照明設備が整う専用グランドを完備している。
腕時計を見て時間を確認すると、まだまだ余裕がある。和俊の足は自然とグランドに向かっていた。
「……、……、専玉とええ勝負じゃ……」
それだけ言うのがやっとだった。一週間前まで通っていた名門校、専大玉野高校に負けず劣らずの、いや、寧ろこちらのほうが勝っているのではないかと思えるほどのグランドなのである。
「なんで……、勝てんのんじゃ……?」
それはもはや、球場だった。プロ野球を呼べるほどのものではないにしろ、甲子園の地区予選ぐらいなら軽く行えるほどのスペックを有しているのだ。
両翼110メートル、センター124メートル、外野総天然芝、そして、簡単ながら、客席。