奥に眠る物語
私は自分のロッカーに行き、簡単に支度をすませてカバンを手に取る。

「じゃ、お言葉に甘えてお先失礼します」

「おぅ。 あ、表の看板入れといてくれ」

「はーい。」

煙草をふかしながらそう言うオーナーに一礼して、私は表の看板を倉庫に入れる。

やっと帰路につけた私は、少し上機嫌で歩いていた。

帰ったらどうしようか。

久し振りにゆっくり出来る。


なんたって明日は日曜日!!


・・・ん?

あ、そうだ 予定入っちゃったんだっけ。

そんなことを考えながら、カバンをあさって一枚の紙を取り出す。

そこには綺麗な字で明日の集合場所と時間が書かれていた。

「・・げ。 遠い」

紙に書かれていた場所は家から約二時間はかかる。

でも乗りかかった船だ。

ここでやっぱり止めるなんて言えない。

「明日はゆっくり寝れると思ったのに・・・」


ボソリと愚痴をこぼしながら私はちょっと早足で家まで歩いた。

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