奥に眠る物語
そこには、先程まで一緒にいた・・・
李玖さんの姿があったからだ。
・・いや、李玖さんに似ている人、と言った方がいいだろう。
写真の男性は黒い髪だし、左目も隠れてない。
そして長髪でもない。
他人の空似にしては似過ぎだろう。
「ほら、皐月 ちゃんと拝まないとリクに怒られるよ」
「えっ、あ ごめんなさい・・・」
彼は手を合わせて仏前で静かに拝む。
私は彼を真似て拝んだ。
リクさん、貴方は一体何者なのですか?
目を開けて、仏前を眺める。
ふと目に入ったのは一つの指輪。
それは先程、彼が見せてくれたあの指輪で・・・
「この指輪・・」
「それ、主人の遺品なんです」
後ろから女性の声がしたので振り向くと、ニッコリと優しく微笑んだ。
「せっかくですから、お茶飲んで行かれませんか? お礼のかわりですが」
「ありがたく頂きます。 皐月、行くよ」
「あ、はい」
彼に促され、立ち上がる。
リビングに案内されて座ると、女性はすぐにお茶を持って来てくれた。
「粗茶ですが・・」
目の前に置かれたお茶は緑茶だった。
そういえば、彼が紅茶以外を口にするのは初めてみる。
私はチラッと彼をうかがうが、彼はお茶を飲んでいなかった。
李玖さんの姿があったからだ。
・・いや、李玖さんに似ている人、と言った方がいいだろう。
写真の男性は黒い髪だし、左目も隠れてない。
そして長髪でもない。
他人の空似にしては似過ぎだろう。
「ほら、皐月 ちゃんと拝まないとリクに怒られるよ」
「えっ、あ ごめんなさい・・・」
彼は手を合わせて仏前で静かに拝む。
私は彼を真似て拝んだ。
リクさん、貴方は一体何者なのですか?
目を開けて、仏前を眺める。
ふと目に入ったのは一つの指輪。
それは先程、彼が見せてくれたあの指輪で・・・
「この指輪・・」
「それ、主人の遺品なんです」
後ろから女性の声がしたので振り向くと、ニッコリと優しく微笑んだ。
「せっかくですから、お茶飲んで行かれませんか? お礼のかわりですが」
「ありがたく頂きます。 皐月、行くよ」
「あ、はい」
彼に促され、立ち上がる。
リビングに案内されて座ると、女性はすぐにお茶を持って来てくれた。
「粗茶ですが・・」
目の前に置かれたお茶は緑茶だった。
そういえば、彼が紅茶以外を口にするのは初めてみる。
私はチラッと彼をうかがうが、彼はお茶を飲んでいなかった。