奥に眠る物語
「和華、久し振りだね 元気だった？」

「・・・っ？！！」

和華は真っ青だった顔を急に真っ赤にして、私の後ろにやってきた。

どうやら、極度の恥ずかしがりのようだ。

「あ、あの はじめまして 私、皐月朱音っていいます」


「！！！ あああの」

私が和華のほうをみて自己紹介すると、和華は最大限に顔を赤くしてうつむいてしまった。

「相変わらずだね まったく、少しは耐性つけたらどうだい？」

「そ、そんな簡単に言わんといて！！ ひ、人さんはじめてなんに」

真っ赤にしながらそう言う和華。

「なら僕には慣れてるよね はじめて逢うわけでもないし」

「はぅっ・・・ そ、そうや！ 李玖はどないしたん？」

話を変えるため、頑張る和華。

なんとも微笑ましい。

「和華さん、李玖さんなら「わかあぁぁぁ！！！」

あれ、デジャヴ？

そう思って後ろを見るとやはり李玖がいた。

和華は後ろから抱きつかれたせいか、顔から湯気が出そうなくらい真っ赤になっている。

「りりり李玖さんっ？！ あ、アレですやろ、これは夢や！！！」

混乱する和華に、嬉しそうに笑う李玖はギュッと腕に力を込めた。

「嘘なわけないやろ。 現実や、何もかもな」

「りっ李玖さ「・・・え？」

「「・・・あ」」

私と彼の視線の先には、待たせていた女性がいた。
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