奥に眠る物語
そっとベッドに寝かせられ、優しく微笑みかけられる。


ヤバい、惚れそう。


私はまた身体が熱くなるのを感じていると、不意に彼がおでこに手を当ててきた。

「・・熱けっこう高そうだね 何度だった?」

「さんじゅうは・・、あ いや37度台だから」

「・・嘘ついてもダメだよ まったく」

コツン、と頭を叩かれる。

私は布団を顔まで上げて顔を隠した。

赤くなってるであろう顔を見られたくないから。
「何か食べた? 薬は・・・飲んでないみたいだね」

「うん・・ 寝ちゃって何も食べてない」

そう言いながら時計に目をやると、すでに18時を過ぎていた。

朝はとにかく身体が重くて食べるということをせずに寝てしまい、今に至っている。

「キッチン使っても?」

「・・・良い、けど・・」

突然立ち上がりながらそう言うので、承諾すると彼はキッチンへ行った。

私は上体を起こして、彼が置いていってくれたスポーツドリンクを飲む。

水分を全く取っていなかった喉にしみる。

ふう、と一息ついてまた横になった。

ぼんやりと天井を見つめていると、ふと疑問が浮かんだ。

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