奥に眠る物語
「わ、可愛い! 人懐っこいですね そういえばなんて名前なんですか、この子」
「ん? ああ、久遠って言うんだ」
久遠《クオン》と呼ばれた犬は一鳴きした。
私は久遠を持ち上げて膝の上にのせてみる。
「フワフワですね! ぬいぐるみみたい!!」
「あぁ、そいつは毛並みだけはいいんだよ」
「犬の毛並みじゃないみたい・・・」
久遠のお腹を触っていると、チリリンッと来客を知らせる音がなった。
それと同時に久遠は私の膝から降りてお客様のところに向かっていった。
「あ、いらっしゃいませ・・・あぁ!!!」
「ほんまにこの店で働いてるんやな、皐月」
恥ずかしそうに笑うのは、普段の着物とは全く印象が異なった和華だった。
フワフワとした薄い桜色のワンピースを着て、日に当たっていなかったらしい真っ白な肌をさらけ出すその姿はつくも神とは思えない。
「どこがいい? どこでもいいよ!」
「えっ、あの じゃあ・・・皐月の隣りがいい」
顔をほんのり赤くしてそう言う和華を、先程まで座っていたカウンターへ案内する。
「ん? ああ、久遠って言うんだ」
久遠《クオン》と呼ばれた犬は一鳴きした。
私は久遠を持ち上げて膝の上にのせてみる。
「フワフワですね! ぬいぐるみみたい!!」
「あぁ、そいつは毛並みだけはいいんだよ」
「犬の毛並みじゃないみたい・・・」
久遠のお腹を触っていると、チリリンッと来客を知らせる音がなった。
それと同時に久遠は私の膝から降りてお客様のところに向かっていった。
「あ、いらっしゃいませ・・・あぁ!!!」
「ほんまにこの店で働いてるんやな、皐月」
恥ずかしそうに笑うのは、普段の着物とは全く印象が異なった和華だった。
フワフワとした薄い桜色のワンピースを着て、日に当たっていなかったらしい真っ白な肌をさらけ出すその姿はつくも神とは思えない。
「どこがいい? どこでもいいよ!」
「えっ、あの じゃあ・・・皐月の隣りがいい」
顔をほんのり赤くしてそう言う和華を、先程まで座っていたカウンターへ案内する。