奥に眠る物語
「ってなに俺をシカトしていこうとしてんねん!!」
「・・あ。忘れてた」
先程までのいざこざで李玖や和華のことをすっかり忘れていた。
しまった、盲点。
「ごめんね、和華さん・・っていない?」
「いないちゃうわ! 俺にも謝らんかい!!」
「はいはいごめんなさいー」
「せめてもうちょい感情入れてほしいんやけどなぁ」
あれ、なんか目ぇ熱いわ、なんていいながら目頭を押さえる李玖は置いといて、和華の居場所を聞き出す。
「で。 和華さんは?」
「・・・ぐすん。 今傷心中!!」
「あぁ。和華ならココに」
「えっ!? いつの間に・・・」
彼が取り出したのは、間違いなく和華が象る指輪。
それを見て安心したので帰路につこうとしたときだった。
「だっからなんで俺をおいていこうとするん!? なんや、新手のいじめか!!」
「・・・だって傷心中なんでしょ ほら、ほっといてあげるから好きなだけやってなよ」
「うっわ憑雲ひどくね? 俺も帰るで!!」
「はいはい。 さて、それじゃぁ行こうか、皐月」
「・・は、い」
彼が急に手を握ってきたので、少しだけ緊張する。
握り返してもいいの、かな。
ちょっとだけ考えて、でもやっぱり勇気がでないのでやめた。
・・いつか握り返せる日がくるといいなぁ。
「・・あ。忘れてた」
先程までのいざこざで李玖や和華のことをすっかり忘れていた。
しまった、盲点。
「ごめんね、和華さん・・っていない?」
「いないちゃうわ! 俺にも謝らんかい!!」
「はいはいごめんなさいー」
「せめてもうちょい感情入れてほしいんやけどなぁ」
あれ、なんか目ぇ熱いわ、なんていいながら目頭を押さえる李玖は置いといて、和華の居場所を聞き出す。
「で。 和華さんは?」
「・・・ぐすん。 今傷心中!!」
「あぁ。和華ならココに」
「えっ!? いつの間に・・・」
彼が取り出したのは、間違いなく和華が象る指輪。
それを見て安心したので帰路につこうとしたときだった。
「だっからなんで俺をおいていこうとするん!? なんや、新手のいじめか!!」
「・・・だって傷心中なんでしょ ほら、ほっといてあげるから好きなだけやってなよ」
「うっわ憑雲ひどくね? 俺も帰るで!!」
「はいはい。 さて、それじゃぁ行こうか、皐月」
「・・は、い」
彼が急に手を握ってきたので、少しだけ緊張する。
握り返してもいいの、かな。
ちょっとだけ考えて、でもやっぱり勇気がでないのでやめた。
・・いつか握り返せる日がくるといいなぁ。