貴方が忘れられない。
「あい、具合どうだ」
ドアが開き開口一番に言う。入院して分かったことは実はかなり心配性だったということ。大丈夫よというとほっとしたように目じりを下げる。
「仕事どう? お父さん」
引っ越してくると共に会社を辞め、長年勤めてたことから社長に同系列の会社を紹介してくれたらしい。感謝してもしきれないと父は言う。本当にそう思った。
「ああ、大丈夫だよ。内容は同じようなものだからな」
「そっか」
変な沈黙があり、なにか言いたそうな父を見る。少し迷ってから口を開いた。
「流くんから連絡、来てるぞ」
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