貴方が忘れられない。
責任も持たずにそんなこと言わないでよ。
「あい!」
「あーいちゃん!」
何してんの遅いよーと二人は仲良さそうに私を待つ。ごめんごめんと笑い駆け足で寄り、少し迷ってから美結の隣に並んだ。もう流の隣は私じゃない。私専用の場所じゃない。
「最近元気ないねー。夏バテ?」
ふんわりと巻かれた髪を揺らし少し覗くように私の顔を見た。本当、気遣いのうまい子だと思う。
「アイス買って帰ろっか」
「流くんまたアイスー?」
「最近流のお腹弛んできたんじゃない?」
「まだまだお前にゃ追い付かねぇよ」
私を心配して言ってくれたのだろうか。アイスは私の好物だ。にやける口許を隠すように悪態をつく私に可愛くねぇやつとそっぽうを向く流。そんな私たちを見て笑う美結。
いつもの光景だ。
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