《短編》交差する恋
中学生の時、あたしの友達はみんな好きな人がいた。
舞美ちゃんを除いては。
だけど、どうして涙を流してまで想い続けるのか、あたしには分からない。
周りばかりを見て、自身が恋をしない内に、気づけば恋に触れないまま、もう3年。
恋の楽しさも、悲しさも分からないまま、もう高校生。
「興味もない話よく聞いてられるね。」
舞美ちゃんがあたしに言う。
「あの2人の話、おもしろいから。」
あたしは笑ながら言った。