もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】


雨宮麻衣をぎゅっと胸の中抱きしめ、頭を撫でる。



「よくできました」



それは、『うん。守れる』と言った、雨宮麻衣へのご褒美。



満面の笑みで、照れくささを隠すため、ちょっとからかうように言った後。



オレは雨宮麻衣から体を離し――…



ネクタイをきゅきゅっと緩め。



大事な…



いや、大事にしていた…



舞からもらったネクタイを、スルっとはずして、ゴミ箱に放り投げた。

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