もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「今日は、真面目に勉強しようぜ?」



ウインクして、歩き出す。


その背中に。


あたしは言葉を絞り出した。



「ごめん。
あたし、今日は帰る」



「は?」



「ごめん。
用事思い出しちゃって」



藤澤光にクルリと背を向けて、駅までの道を急いで走った。



「おいっ・・・。
雨宮?」



藤澤光の戸惑った声が聞こえても、あたしは走り続けた。

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