もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
公園を抜けた小高い丘の上で。
あたしは、愛しい人と対面する。
「龍。
久しぶり」
返事のないことに、少し寂しくなりながら。
あたしはかばんからタバコを取り出し、火を点ける。
「どう?
おいしい?」
返事のない空間で、ビールの缶を開け、また同じ言葉を繰り返す。
「どう?
おいしい?」
大きな墓石が並ぶ隅。
小さな小さな石の前に。
お線香と。
来る途中で摘んだ小さな花を置く。
あたしは、愛しい人と対面する。
「龍。
久しぶり」
返事のないことに、少し寂しくなりながら。
あたしはかばんからタバコを取り出し、火を点ける。
「どう?
おいしい?」
返事のない空間で、ビールの缶を開け、また同じ言葉を繰り返す。
「どう?
おいしい?」
大きな墓石が並ぶ隅。
小さな小さな石の前に。
お線香と。
来る途中で摘んだ小さな花を置く。