もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「龍。
今日は、話があって来たんだ」



返ってくることのない返事をちょっぴり期待して、次の言葉までしばらく間をあける。




「好きな人が出来たって、この前、話したでしょ?」



風がサワサワ・・・音をたて、あたしは龍が聞いてくれているのを感じながら声を出す。




「付き合うことに・・・なったんだ。
いいかな?」



木々がザワザワ・・・っと揺れ、光が差し込む。

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