もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「ねぇ・・・。
君も、許してくれるかなぁ?」



かばんの中からおかしを取り出し、小さな小さな石の前に置く。



そして、もう一度右に目を向けた。



「でもね、龍。
あたし、怖いんだ。
光が龍みたいに、あたしを置いて逝っちゃうんじゃないかって。
心がね、焦るの。
早く、早くって」



風が優しく吹いて、あたしを包みこむ。
< 111 / 708 >

この作品をシェア

pagetop