もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「龍。
あたし、龍以外に好きな人が出来ちゃったよ。
龍が、バイクの事故で死んだとき。
あたし、もう誰も愛さないって決めたのに。
ごめんね。龍」





涙が頬を伝う。







「龍が死ぬ間際に。
オレじゃない、他の誰かと恋をしろって。
幸せになれって。
そう言ったとき、あたしは悲しかった。
あたしの龍への思いは、そんなに簡単なものじゃなかったし。
信じてもらえてなかったと思って、本当に悲しかった。
龍以外の人を愛さないって、頑なに思ってた」






頬を伝う涙が止まらない。
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