もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
「そっか。
オレで力になれることがあったら、言えよ。
おまえ一人くらい、支えてやるよ」


傘を持っていない方の手でこぶしを作り、ガッツポーズをしてみせる。



「ありがとう」


雨宮麻衣は、はにかんだ笑いを見せ。


「大丈夫だよ」


小さく口を動かす。


「なぁ・・・。
おまえさ。
何で胸押さえてるの?」


雨宮麻衣は、オレの言葉にビクッと体を震わせ――…



「ぇ・・・」



声にならない叫びを上げる。
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